インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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二酸化炭素の削減を図る緑化事業を自社の第二の柱へ 株式会社八木萬 代表取締役八木重美

スナゴケとの出会いでスタートした緑化事業

耐火レンガや工業窯炉の設計・施工など炉材事業で豊富な実績を持つ株式会社八木萬が緑化事業に取り組み始めたのは約7年前。「ずっと二酸化炭素を排出する産業の一端を担ってきましたので、逆に二酸化炭素を吸収し固定化する緑化事業を通して社会に貢献したいと考えました」と八木重美代表取締役は語ります。
しかし、緑化事業については素人。そこで大阪府立大学の門を叩き、村瀬治比古教授が研究するスナゴケと出会ったといいます。「コケというと湿った日陰で生育するイメージがありますが、スナゴケは直射日光にも乾燥にも強く、緑化資材として優れていることを知りました。村瀬先生が進めていた量産方法の研究を共同で行わせていただいたのです」。緑化事業、特に屋上緑化で問題にされるのが建物にかかる重量や管理のことです。その解決のために使われたのが、同社の既存事業の強みだったセラミックレンガでした。


▲スナゴケの生育に適した環境の三重県伊賀市に、スナゴケを生産する総面積8,000㎡の圃場がある。


▲オフィスビルのテラスの緑化事例。ビルや個人住宅の屋上のほか、玄関のアプローチに設置されることも。

既存事業の強み、セラミックレンガを活かして

「苔むした灯籠を思い浮かべると理解できますが、コケは土がなくても生育する植物。ただ、適度な保水性、透水性が必要だということで多孔質の吸音レンガが使えると思いました」と緑化事業を推進する八木重治専務取締役。サイズを大きくすれば施工性は高まる一方、強度が落ちるというので、運搬が容易で施工性も高い30.5㎝ 角と29.5㎝ 角の吸音セラミックレンガを使った特殊基盤材を開発。そこに直接スナゴケを植え込み、「蘚苔基盤庭(モスベースガーデン)」として特許も取得しています。
「土が不要なので、雑草や虫の心配がなく、さらにセラミックレンガは断熱効果が高いため、基盤の上と下では約10℃の差があります」と八木専務。屋上緑化を施した場合、最上階の室温が1~2℃下がることが実証されています。当初は芝生などの2倍近くあった施工コストがより低く抑えられるようになったことと、何より水やりや刈り込み、除草などの管理が簡易で、ランニングコストがかからないことから、競争力の高い商品に育っています。


▲「企業として一つの事業に依存しているのは危険。緑化事業をもう一つの柱に」と語る八木社長。

建物全体の熱をコントールする総合提案型事業へ

最近、同社が力を入れているのは、同じくスナゴケを使った駐車場緑化「モスベースパーキング」です。こちらはセラミックレンガを使用しない分、施工コストも芝生とほぼ同じ。都市部の建築条例で一定以上の緑地面積の確保が義務づけられるなど都市部の緑化が積極的に推進されるなか、当商品への需要も高まっているといいます。
同社の緑化事業の今後について、八木専務は「スナゴケの生育実験施設を建設する際に、窓から入る熱エネルギーの大きさを知りました。遮熱塗料のメーカーもあり、これからは当社が蓄積した、熱をコントロールするためのさまざまなノウハウや商品をコーディネートする事業を展開できればと考えています」と語ります。使用するエネルギーを節約する「省エネ」にとどまらず、大気中の二酸化炭素を吸収、固定化させるという緑化事業は、これからの社会には不可欠なものであり、同社の大きな柱を担う事業として成長することが期待されています。


▲「SAKAI環境ビジネスフェア」をはじめ、環境展やビジネスフェアに積極的に出展、新事業をアピールしている。


▲タイルをはめるように、蘚苔基盤を置くだけの簡単施工。スナゴケは年間を通して美しい緑色を保つ。

株式会社 八木萬

代表者 代表取締役 八木重美
本社 堺市北区東雲東町3丁1-12
TEL 072-255-6643
設立 2003年12月設立
資本金 2,000万円
従業員数 10名
事業内容 炉材事業(各種耐火レンガ、断熱レンガ・不定形耐火物の販売、工業窯炉設計施工、レンガ工事など)、緑化事業
ホームページ http://www.yagiman.jp

株式会社八木萬

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