インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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津波から防波堤を守る、海岸用高耐久被覆線の開発へ トワロン株式会社 藤本貴美嘉社長

環境に配慮して選定したIR樹脂で独自性を確立

1935年の創業当時は、防虫用の金網などの製造からスタートしたというトワロン株式会社。現在はポリエチレン樹脂被覆鉄線のパイオニア的な企業として、文具や家庭用品、ガーデニング用品などの一般消費者向けから、落石防止網や空港・高速道路の立ち入り防止柵などの土木商品まで幅広い領域で使われる被覆鉄線の製造・販売を行っています。
「当初は被覆材に塩化ビニルを使用していたのですが、一時期、ダイオキシンを始めとする環境問題の指摘があり、ポリエチレン樹脂に代えるようになったのです」と藤本貴美嘉社長。
なかでもトワロンの代表的な製品として特筆すべきは、同社が独自に開発した「IR被覆鉄線」です。IR樹脂について、藤本邦三常務取締役は「一般的にバケツなどに使われているポリエチレン樹脂は硬く柔軟性に欠けるので、寒さや衝撃に弱いという欠点がありました。そこで、弊社では寒さや衝撃に強く、しかも屋外に設置して長時間紫外線にさらしても劣化しにくい耐候性の高い素材を独自に模索したのです。そうして選定したのが、アイオノマー樹脂(IR樹脂)という低密度のポリエチレン樹脂でした」と語っています。

IR被覆鉄線の性能の高さが「防災」でも期待

IR樹脂は、ゴルフボールの表皮に使用されている耐摩耗性と耐衝撃性に優れた低密度ポリエチレン系樹脂です。トワロンでは、塩分や酸、そして紫外線にも強いというIR樹脂の特長を活かし、過酷な環境にさらされる護岸や海岸などで使える「IR被覆鉄線」を開発しました。
IR樹脂は樹脂が柔らかいため、肉厚が厚くなるほど強度を増す一方、同社では長年に培ってきた技術で、心線と被覆材が強固に一体化した強力接着を実現。心線が空気や水分にふれないため、酸や塩分濃度の高い護岸や沿岸などでも30年の耐久性を有することが認められ、一般財団法人土木研究センターから「建設技術審査証明書」を取得、すでに温泉地や河口付近の護岸などで数多くの納入実績を誇っています。
そして、このIR被覆鉄線に「防災」という視点で大きな期待が寄せられ、同社で開発中なのが、津波対策のための海岸用高耐久被覆線です。


▲「今は1tトラックで仕入れ、1tトラックで納品する製品ばかりですが、いつか乗用車で納品できる製品も手がけたい」と医療分野への関心を語る藤本貴美嘉社長。


▲「地震はいつ発生するかわかりませんから、ラジオや懐中電灯、非常用品を常備しています。自分たちの身は自分たちで守るという意識改革中です」と藤本邦三常務。

国土、人命を守るためにめざすは百年の耐久性

「東日本大震災では、防波堤に津波から想定以上の力がかかり、また強い水流で防波堤の根元が洗掘されたことから防災機能を十分に発揮することができませんでした。そこで防波堤を挟むように高耐久性築堤マットを設置し、津波のエネルギーを軽減するとともに洗掘を防ぐことが考えられているのです」と藤本常務。
より高い耐久性が求められるなか、同社が自ら目標とするのは、百年の耐久性を持つ被覆鉄線です。「よく百年に一度の災害と表現されますから、設置してから百年は役立つものをめざしています」と藤本常務。まだまだ実現するにはいろいろな課題がありますが、同社が持つノウハウや技術を活かして解決していくといいます。そこには、「国や国土、そして人命を守るということに貢献していきたい」という藤本社長の思いも込められています。
いつ起こるかわからない災害に備えるために活かされる技術。それが堺で育まれていました。



約30年の耐久性が証明された「IR被覆鉄線」
海岸部での比較。塩分に強いIR被覆鉄線はさびないうえに、無色透明なので内部の目視検査も可能。
(写真は沖縄離島で設置後7年経過したもの)


▲7種めっき線金網


▲IR被履鉄線金網

トワロン株式会社

代表者 代表取締役社長 藤本貴美嘉
本社 堺市西区築港新町2-6-13
TEL 072-245-6500(代)
設立 1935年創業
資本金 4,800万円
従業員数 30名
事業内容 特殊ポリエチレンワイヤなどの製造・販売
ホームページ http://www.towaron.co.jp/

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