インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

誠実に堅実に育て上げて。 宝榮産業株式会社 髙尾弘美社長

光触媒入り塗料で地球環境に貢献

大阪府立大学との共同開発で商品化に成功した「オプティマス」は、光触媒の特性を最大限に活かし、耐汚染性や脱臭効果、空気浄化作用が期待できるほか、高い保温性から20%以上の節電効果があると実証されている。この開発技術が評価され、同社は「さかい環境チャレンジ企業」に認定されている。

知識も技術もないまま夫に代わって塗料メーカーを創業

何の知識も技術もないまま、突然に塗料メーカーを経営することになったと語るのは、宝榮産業㈱の髙尾弘美社長です。自転車部品などを手がける鉄工所から転業しようと機械設備などを全て整えた夫が、創業直前に突然倒れ、代わって会社を立ち上げることになったからです。
「製造面はベテランの技術者がいたので不安はありませんでしたが、会社経営は無我夢中でした。仕事は何でも引き受けましたし、自ら車を運転して納品にも出かけましたね」。 当初は自転車のフレーム塗装など、それなりに注文はあったものの、外国産自転車に押されて発注が激減。耐熱塗料のOEM生産も溶剤系塗料の規制が厳しくなり、取引量が減るのかという時に、他から水性塗料の引合いがあったといいます。
「営業活動はほとんどしていなかったのに、いつも誰か人との出会いがあり、そこに新しい仕事もついてきました。恵まれていたんですね」と語る髙尾社長ですが、人との出会いを呼んできたのは、常に手を抜かず、丁寧に製品づくりに向き合ってきたことへの信頼からだったのでしょう。それは創業から30年経った今も、変わることなく貫かれている髙尾社長の方針に表れています。


創業時から変わらない、経費を極力抑えた堅実な経営

「納品する塗料缶は、汚れ一つ許しません。ラベルも全て同じ位置にまっすぐ貼るよう指示しています。お店で商品のパッケージが汚れていたら嫌なのと同じです。今では製品を丁寧に扱うよう、社員が運送屋さんに指示していますね(笑)」。
さらに、髙尾社長が金融機関から絶大な信頼を得ているのは、その財務内容です。髙尾社長の一人娘で、販売会社の(株)オプティマスの社長を務めている髙尾一美取締役が、「ムダな経費が全くない、見事にきれいな帳簿なんですよ。私も見習えと言われています(笑)。社長は未だに封筒をリサイクルして使っていますからね」と感心するほど。創業時の苦労を忘れず、派手に経費を使わない堅実さは、女性経営者ならではの感覚だといえるかもしれません。
一方、次期社長を担う髙尾取締役について、髙尾社長は「強く営業できなかった私と違って、大企業の方を相手に負けていませんし(笑)、全く違うタイプの経営者ですね。彼女が開発から関わった光触媒入り遮熱塗料を、早く当社の柱に成長させてほしいと思っています」と大きな期待を寄せています。


産学官連携で商品化を実現した期待の「光触媒入り遮熱塗料」

光触媒入り遮熱塗料「オプティマス」とは、光触媒が持つ自浄作用や空気浄化性能、遮熱効果を活かした特殊塗料で、外壁や内装に塗布することで、冷暖房エネルギーを大幅に節約できる効果が実証されています。 誕生のきっかけは、髙尾取締役がタイで特殊塗料の販売会社を任されていた頃のこと。塗布面の汚れを防ぐために、現地スタッフに光触媒のクリアコートを上塗りさせたところ、塗り残しているところの汚れが逆に目立ってクレームになったのだとか。そこで塗料の中に光触媒を混ぜ込むと、今度は塗布面が劣化しやすくなる問題が発生しました。
光触媒の大きな可能性を確信した同社では堺市に相談、大阪府立大学との共同開発へ。約3年を経て、2012年に商品化に成功しています。
経済産業省の新連携事業に認定され、今年度はその一環として、海外展開のための事業化可能性調査等のF/S支援を受けることができ、得意先や提携先を求めてドイツに行きました。この製品は海外市場を視野に展開を図っていきたいと考えています」と髙尾取締役は語っています。
地道に製造業を営んできた髙尾社長と、アイデアを商品化につなげるプロデュース志向の髙尾取締役と、経営の考え方も手法も異なる二人ですが、口を揃えて語るのは「ものづくりは面白い」ということでした。
「日本には世界に通用する人材がまだまだ少なく、女性の地位も低いと感じます。しかし、技術が全てのこの世界は、女性も男性と対等に活躍できる場です。ものづくりの奥深さ、その魅力を知ってほしいですね」と髙尾取締役。自ら開発した「オプティマス」への思いを熱く語られるその姿から、ものづくりに女性でこそ活かせることが多くあるのではないかと感じさせられました。


▲光触媒入り遮熱塗料「オプティマス」は、内装用、外装用、コンクリート用をラインナップ。

母親のような気持ちで温かくも厳しく、若手技術者を育成
現場での社員とのやりとりを大切にしているという髙尾社長。スキルアップのための色彩検定試験などで不合格になった社員にも、母親のような気持ちで叱咤激励しているとか。その温かくも厳しい人育て術は、「世界で通用する人間にしたい」と、娘の髙尾取締役を小さいうちからひとり海外に出していることにも表れている。

宝榮産業株式会社

代表者 代表取締役 髙尾弘美
本社 堺市中区大野芝町94
TEL 072-235-1131
設立 1985年設立
資本金 1,200万円
従業員数 18名
事業内容 耐熱塗料・特殊遮熱断熱塗料の製造・販売
ホームページ http://www.optimus.jp/

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