インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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情報がアイデア、そして事業へ。 株式会社イクロス 谷村忠義社長

社名に込められたのは、社会貢献をめざす思い

社名の頭文字の「i」は、国際的視野(international)、知識・判断力(intelligence)、考え・ひらめき(idea)、目的意識(identity)といった6つの「i」を社会にクロスさせることで、社会に貢献できる企業であり続けたいという意味がこめられている。今年1月に、現在地に新社屋を竣工。分散していた工場と本社を集約したばかり。

新聞社勤務から一転、介護事業での起業へ

現在、環境事業部、メディカル事業部、介護事業部、インテリア事業部の4事業を展開している(株)イクロス。「運転中にラジオCMを聞いても、海外で人と話しても、ビジネスのアイデアが浮かんでくる。それが楽しいんですね」と語る谷村忠義社長は常に「これからの時代に必要とされるもの」を求めてアンテナを張り、得られた情報からアイデアを着想、事業化されているようです。例えば、最初に立ち上げたメディカル事業については、かつて地方新聞社に勤務していた時、関連会社で介護事業を立ち上げた経験や人脈、情報が活かされています。
「長期療養の入院患者の身の回りの世話をする家政婦さんの人手不足を聞き、寝間着など個人向け一日レンタルセットを商品化したのです」。
翌年の2001年には、実家が工務店だったことから興味を持っていたインテリア事業をスタート。さらに不動産会社から運営先の紹介を依頼された和歌山県白浜の保養施設は、谷村社長自身が、海が見える、温泉があるという好環境に惚れ込み、2003年に介護事業部として認知症対応型グループホーム「パル白浜」を開業させています。
「2000年に施行されたばかりの介護保険法で、福祉法人や医療法人でなくてもグループホームを運営できるようになりました」。


廃棄物を燃料資源とするバイオマスボイラを開発

次々と事業を拡大させてきた谷村社長ですが、「本当にやりたかったのはこれだ」と環境事業に参入したのは2006年。病院から大量に出る医療廃棄物がヒントでした。
「医療廃棄物の処理コストが高く、これらを敷地内で燃やして、その熱を給湯や暖房に利用できれば、光熱費も削減、さらに環境保全にも貢献できると考えました。最初は技術が先行していたヨーロッパから技術を導入することも考えましたが、市場性などが日本と異なり、自社開発を決断したのです」。
開発は思うように進まず、ようやく燃焼炉内の空気の流れを利用した独自の燃焼原理を確立し製品化できたかと思えば、欠陥が発見されるなど、苦しい時期もありました。しかし試行錯誤の末、ついに24時間連続して稼働可能で、含水率の高い木質チップを燃料とする小型バイオマスボイラの開発に成功。今年1月には、近畿経済産業局から「関西ものづくり新撰2015」に認定されています。
バイオマスボイラの導入メリットは、木質系廃棄物やプラスチック系廃棄物(RPF)を燃料資源とするうえ、熱を給湯や乾燥に再利用できるため、燃料費を大幅に削減できること。森林資源の活用を模索する自治体をはじめ、小規模事業所などから高い関心を集めています。


バイオマスボイラの発電システムやESCO事業へ

同社の4つの事業は何の関係性もないために経営効率が悪いように思えます。実際、谷村社長も事業間の人材交流が難しく、新工場でメディカル事業と環境事業を集約したものの勤務体制が全く異なるため、企業としての一体感を醸成しにくいことを課題として挙げていました。しかし「今後は、事業間コラボがテーマ。メディカル事業部で信頼関係のある医療・介護施設に向け、バイオマスボイラを活用した床暖房への改装や、あわせてカーテンのリースもご提案できるのでは」と語っています。
現在は、バイオマスボイラとロータリー発電のパッケージ化を開発中で、完成すれば世界初。無電地帯に光を届けることができるようになります。将来的にはバイオマスボイラでESCO事業(※)を手がけたいとも語る谷村社長。初期投資を不要にすれば、一気に製品の普及が狙えることはもちろん、エネルギーを有効活用するシステムそのものを売るビジネスとなります。次から次へと新たなアイデアが湧いてくる同社の今後がますます期待されます。


▲独自の燃焼技術が約1,200℃の高温燃焼を実現し、含水率50%の木質チップ燃料も効率よく燃焼させる小型バイオマス蒸気ボイラ。高温燃焼のためダイオキシン発生の心配も不要。

何を見ても、誰と会っても新しいビジネスのアイデアに

テレビのニュースで見たある展示会会場にふと目が止まったという谷村社長。そこに映し出されていたコンテナを見て、あるひらめきを得たという。名刺を交換した人との縁も簡単には切らない。「年賀状一枚でもいいことですから」。新聞社勤めで培ったものか、そうしたさまざまな出会いの中から、新しいビジネスのヒントを嗅ぎ分けられるようだ。

※ESCO(エスコ)事業・・・Energy Service Company事業の略。
省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、顧客の省エネルギー効果の一部を報酬として受取るビジネス形態。

株式会社イクロス

代表者 代表取締役 谷村忠義
本社 堺市西区草部491-1
TEL 072-260-6333(代)
設立 2000年
資本金 1,700万円
従業員数 100名
事業内容 バイオマスボイラなど環境機器開発・製造・販売・メンテナンス、病院および介護施設向けリネン品リース・日用品リース、認知症対応型グループホーム「パル白浜」などの運営、インテリアハウス「イクロス」のショップ運営
ホームページ http://www.icross.co.jp/

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