インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

選ばれるこんにゃく作りを。 中尾食品工業株式会社 中尾友彦社長

昔ながらの工法による本物のおいしいこんにゃくを

おでんや筑前煮などには欠かせないこんにゃく。なかなか主役を張ることはありませんが、料理の名脇役として食卓にのぼることの多い食品です。しかし、かつては堺市内に10軒はあったというこんにゃくメーカーも、今では中尾食品工業の一軒のみ。その背景について、中尾友彦社長にうかがいました。
「最近は若い方が包丁をあまり持たなくなり、また下茹でをしたりアクを抜いたりという手間を面倒がる方も増えました。調味料がしみ込むまでに時間もかかる食材ですから、"早く、簡単に"という最近のニーズに逆行しているかも。さらに、価格競争も激しくなっていますし、これほど物流が進展すれば、大消費地の大阪市の近くで製造しなければならない理由もないですからね」。
そうしたなかで、先代の中尾康司会長が、ある自然食品の卸会社から打診されて挑戦したのが、伝統的な工法によるこんにゃく作りでした。ほとんどのこんにゃくは、こんにゃく芋を製粉したものを原料とし、凝固剤には消石灰(水酸化カルシウム)を使用しているのが一般的です。その方がコスト的に安価であるばかりではなく、製造工程も管理しやすいためですが、中尾会長は「本当においしいこんにゃくを作りたい」という気持ちから、有機栽培の生芋だけを使用し、凝固剤には昔ながらの木灰のアク汁を使った伝統的なこんにゃく作りに取り組みました。


特徴ある"木灰こんにゃく"で自ら市場を創るという夢

田舎の家庭で自家製こんにゃくを作るのとは異なり、伝統的製法で安定した品質の製品を量産するのは簡単なことではありません。そのために商品化までに試行錯誤を繰り返したといいます。
驚くのは、原材料の安全性を徹底して追求していることです。自然食品会社の規定でもあり、全て放射能チェックに合格していることはもちろん、こんにゃく芋は広島産の有機栽培3年もの、木灰は関西の森林の間伐材を原料にした自社製灰です。さらに、どの製品にどこの原材料をどれだけ使っているか追跡できる"トレーサビリティー"を導入しているとか。
「こんにゃくの生芋を皮ごとすりおろして作っているので、手間ひまがかかりますが、そこが、大手メーカーさんには真似のできない、中小メーカーである当社の狙い目です。生芋から作った歯ごたえが大変好評で、『中尾の"木灰こんにゃく"でなければ』と指名して求めるお客さまが増えて喜んでいます」(中尾社長)。
先代からの"木灰こんにゃく"を引き継いで、中尾社長がこれからめざすことは、特徴ある商品で市場を作ることだと言います。「例えば、最近話題の日本酒"獺祭(だっさい)"は、地方の一酒造会社が出した面白い商品が一つの市場を作りました。こんにゃくも、高品質で他にない面白いものを作ることで、そういったことが可能なんじゃないかと考えています」。


フリーズドライの成功で海外に販路の開拓をめざす

食品をめぐって消費者が求めるものは"本物であること""調理や扱いの簡便さ"そして"低価格"の3方向だろうと中尾社長。そうしたなかで、中尾食品は本物志向の製品づくりを進めることで、価格競争から脱したいと考えています。すぐに食べられる簡便性という点では、「蒟蒻わらび餅」などがあり、中尾社長はこうした特徴ある製品に特化し、今後は100以上あるアイテム数をもっと絞り込み、これまでのBtoBからBtoC、つまり一般消費者への小売りを強化する考えです。
そして中尾社長の目線はすでに海外へ。「少子高齢化が急速に進む国内では需要も頭打ちになることは目に見えており、今後はEUやアメリカ、アラブ首長国連邦といった国々に向けて、日本が得意とするヌードルでこんにゃくを売り出していきたいと考えています。そのために賞味期限を延ばそうと現在、大阪府立環境農林水産総合研究所の協力でこんにゃくのフリーズドライを開発中ですが、まだ道半ばです(笑)。先日、マレーシアのバイヤーさんが東南アジアなら賞味期限90日のまま流通させることも可能だろうとおっしゃっていました。海外への販路開拓をめざし、さまざまな可能性を探っていきたいですね」と抱負を語っています。


▲美肌成分のセラミドが多く含まれている「木灰こんにゃく」など、中尾食品の代表的製品。

証券マンを経て、26歳で社長に就任 「ワークライフバランス」を課題に

「営業職は社長業と同じ」とあったのを読み、大学卒業後は証券会社へ。「新聞で毎日社会・経済情勢をチェックするクセがつけられた」と中尾社長。職人気質の先代から経営を引き継いだのは、26歳を前にした2013年11月のこと。堺市産業振興センターで実施している「ものづくり経営大学」などのセミナーにも積極的に参加している。現在は、社員のワークライフバランスの向上を課題に掲げ、取り組み中だ。

中尾食品工業株式会社

代表者 代表取締役 中尾友彦
本社 堺市西区草部715
TEL 072-273-4545
設立 1927年創業
資本金 1,600万円
従業員数 16名
事業内容 こんにゃく、ところてん等の製造・販売
ホームページ https://www.facebook.com/nakaoshokuhin

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック

  • メールマガジン
  • お知らせ一覧
  • 南大阪地場産業ポータルサイト
  • さかい健康医療ものづくり研究会
  • さかいIPC
  • 堺の匠を贈る