インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

「あればいいかも」を製品に。 株式会社ミツギロン 森本典志社長

足が冷たいなら、浴室でも長靴 ユニークな発想が大ヒット製品に

昭和世代の人には懐かしいのではないでしょうか。プラスチック製のパイプ状ハンガー。どこの家にも必ずあったあのハンガーを生み出した企業が、堺市北区にある株式会社ミツギロンです。商品誕生のきっかけを森本典志社長にうかがいました。
「山口県から集団就職で大阪に出てきた先代が、勤め先が突然倒産して困っていた時に、取引先だったプラスチック成型会社で捨てられていたパイプの端材から思いついたそうです。当時のハンガーは粗悪な木製が主流で、木のささくれが衣服の生地を傷めていたんですね。初めて取り扱ってくださったのは某有名百貨店でした。しかし、そこに至るまでが大変な苦労で、知り合いの問屋さんに日参し、無償で仕事を手伝いながら売り込みをお願いしたそうです」。
さらに、ミツギロンで開発され、今ではどの家庭でも見かけるものとしては、浴室で履くお風呂ブーツもあります。「今のユニットバスとは違い、昔の浴室はタイル張りが多く、冬は裸足でお風呂掃除するのが冷たくつらい家事でした。じゃあ、屋内でも長靴を履いたっていいじゃないかという発想で開発されたものです」(森本社長)。特許が切れた1985年から他社もこぞって製造し、価格競争も激化していますが、唯一の国産メーカーとして、現在も樹脂の質や作りにこだわり、作り続けています。


コストの計算などは二の次 子供の面白がる発想を大切に

今ではさまざまなところで活躍する蛇腹ホースも同社の開発製品です。洗濯機の排水用ホースとして、折れると水の流れがそこで止まる問題の解決を求められて考案したものだったとか。今や、洗濯機だけでなくエアコンや掃除機などに用途は広がっています。
全国でこれほど普及率の高い、誰もが知っている商品を次々と生み出している理由について、森本社長は「創業時から変わらず大切にしているのは"子供心"の発想です。『こんなものがあると面白いんじゃないか、便利なんじゃないか』と思いついたアイデアをすぐに形にしてきました。他社なら気にかけるであろう需要の見込みだとかコスト計算は二の次なんですね(笑)。それがミツギロンのものづくりなんです。『あると便利でしょ』という私たちのアイデアを消費者の多くの方に共感いただけた時、その商品は大ヒットするんだと思いますね」と語っています。
ホームページにも「真似られることはあっても真似てつくる事は創業以来一度もなかった」と謳っているように、自社独自の商品開発力を誇るミツギロン。全社員の10%が開発部門の仕事を担っているのには驚かされます。例えば、消防法の規制が厳しい発炎筒の代わりに、超高輝度発光ダイオードを使ったスパークマーカーも、事故処理を行うJAFの隊員たちに毎年殉職者が出るという話から誕生した製品なのだとか。今では警察や消防署などでも採用されています。


アジアへの販路開拓を視野に ベトナムに生産拠点を開設

もちろん、アイデアを商品化できる技術力についても同社は、樹脂中空成型技術の分野で、世界一精度が高く生産効率も従来の3倍以上という成型機を自社開発しているほか、押出成型についても、非常に難しい中空層を持った保温・保冷ケースの製造を手がけるほどの技術力を誇っています。また、金型加工など優れた技術を持つ取引先企業とのネットワークを大切にしていることも、同社のものづくりに大きく寄与しているようです。そして、ついにその技術が海を渡ることになりました。技術と設備を提供する形で、ベトナムに生産拠点を設ける予定です。ゆくゆくは東南アジアに販路を拡大したいと考えられています。
今後の新商品については、再び、洗濯用品に着目したいと森本社長。「最近、洗濯用品売り場に行っても、ワクワクすることがなくなりましたよね。それはメーカーの怠慢だと思うわけです。『仕方がないか』といった小さな不便や不満は表に出てきませんが、そこを見つけるのが私たちの仕事です」。
これからは身近になるベトナムの暮らしの知恵からも、新しい商品のヒントがもらえるのではと期待されています。


▲生乾き臭防止のために作られた除菌消臭クリーナー「ホタテをポン」や、唐辛子の成分カプサイシンを混入したカラスよけネットなどユニークな商品ラインナップ

新商品のヒントは、街を歩いていても、お客様と話をしていても。

「お客様と話をしていて、『こんなのがあったらええのにな』と冗談で言われたことを商品にして驚かれることもあります。当社の8事業も、経営戦略によるものではなく、さまざまな方との出会いから自然に生まれ広がってきたものですね(笑)」と森本社長。
東日本大震災後で被災した日本唯一の液体肥料メーカーの生産ラインを預かり、復興を支援中。

株式会社ミツギロン

代表者名代表取締役社長 森本典志
本社堺市北区南花田町212-1
TEL 072-257-7281
設立1961年創業 1970年設立
資本金4,200万円
従業員数44名
事業内容生活用品、工業用品、土木建築建材など、プラスチック製品の企画・製造・販売
ホームページ http://www.mitsugiron.co.jp/

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