インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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正統派こんにゃくで食育。 中尾食品工業株式会社 代表取締役 中尾 友彦

伝統的製法と原料にこだわったこんにゃく作りで差別化

 中尾食品工業株式会社のこんにゃくを一度でも食べたことのある人は、アク抜きをせずとも、そのまま刺身こんにゃくのように生で食べられることや、何よりプリッとした歯ごたえのある食感に驚きます。これは、同社の原料や製法への徹底したこだわりに理由がありました。最近のほとんどのこんにゃくは、製造工程の管理のしやすさやコストを考え、こんにゃく芋を製粉したものを原料とし、凝固剤にはこんにゃく臭さの原因でもある消石灰を使うのが一般的ですが、同社のこんにゃくの原料は生芋100%。しかも、有機JAS認証を取得した広島県産を使用するこだわりぶりです。さらに、凝固剤は関西の広葉樹林の間伐材を自社製灰したアク汁で、昔ながらの伝統工法で作られています。そこには、先代社長の「本当においしいこんにゃくを作りたい」という熱い思いが込められていました。
 そして、他社に負けないその強みこそが、同社のCSRへと結びついたのです。


全社員によるワークショップで出前授業による食育を提案

 4代目となる中尾友彦社長は、当初CSRについて、大企業が取り組むものというイメージを持っていたといいます。
「意義あることだと理解していても、何をやればいいかわかりませんでしたし、正直できるとも思っていませんでした(笑)」。
 全社をあげてCSRに取り組むことになったきっかけは、堺市産業振興センターが実施したCSRセミナーに参加したことです。他社事例の紹介で、新入社員の採用にも良い効果があったことを知り、CSRが当社で働くことの魅力のアピールにつながればと考えたそうです。
 まず、パート従業員も含めた全社員に向けて、CSRに取り組むことを宣言。「何のために?」という疑問には、その重要性、必要性をきちんと説明することから始めました。CSR推進企業創出モデル企業として、派遣された専門家の指導のもと、全社員によるワークショップを行い、自社の強みを活かした出前授業による食育というアイデアを採用することにしたのです。「すぐに私の出身校でもある地元小学校を訪問し、何か協力できることがあればと申し出をしました。通常は学校側から協力を要請するのが一般的な上、断られるケースもあるようなので、大変喜んでいただきましたね」と中尾社長。
 現在のところ、出前授業の機会はありませんが、今年6月に小学2年生の「町探検」の訪問を受け入れています。CSRを担当する森内美里さんは「工場内は見学できるよう整備されていませんので、窓の外からこんにゃく作りを見学してもらいました。芋からこんにゃくが作られることに驚いていたようです。後日、子どもたちから届けられた感謝状は、社員全員で嬉しく拝見しました」と語っています。


CSRを通して地域の一般消費者との接点も増えて

 中尾食品工業では、あわせて本社周辺の美化活動にも取り組んでいます。シフトを組んで会長や社長も含む全員で、週に1.2回、会社のまわりの清掃を行っており、道行く人たちの喜んでいる声が耳に入ってくることもあるとか。また、社内においても美化への意識が高まり、パート従業員の採用面接を受けに来た人から「社内が清潔でとても雰囲気が良かったので、ここで働きたいと思った」と言われたそうです。
 中尾社長は「CSRをやるべきかどうか悩まれるのなら、ぜひやった方がいいと思います。会社の身の丈にあった、うちの清掃活動のように簡単なことからでいいのではないでしょうか。そして、必ず社員を巻きこんで全社で取り組むこと。続けていくことが大切ですから。わからなければ、堺市産業振興センターが支援してくれます(笑)。CSRの取り組みを通して、エンドユーザーとの接点が広がり、当社の事業や商品をアピールする機会が増えることにも期待は広がりますね」と語っていました。
 今後、一般消費者への直接の販売に注力したいという中尾社長。本社内に開設する直売所では、他社製品の凍みこんにゃくなども含めて、こんにゃくに特化した販売を考えています。また、イタリアで話題のこんにゃくのパスタのような新商品開発も模索中。同社のおいしいにこだわったこんにゃく作りは、さまざまな可能性を秘めているようです。

▲創業者の名前を冠した「菊松」ブランドの代表的商品、広島県産有機生芋100%菊松[板]こんにゃくと菊松[糸]こんにゃく。

積極的に社内クラウド化を推進
製造管理の一元化と情報の共有を図る

「当社の強みを発揮するために、社内のクラウド化を実施しました。具体的には、必要に応じて社員をグルーピングし情報を共有する仕組みを作ったり、表計算ソフトを使って、外部委託先を含めた製造管理の一元化を図ったことです」と中尾社長。これらによって、情報伝達の効率化が図られ、また経営判断のスピードアップにつながったとか。若き社長の経営改革が着実に進められています。

中尾食品工業株式会社

代表者名代表取締役 中尾 友彦
本社堺市西区草部715
TEL072-273-4545
設立1927年設立
資本金1,600万円
従業員数16名
事業内容こんにゃく、ところてん等の製造・販売
ホームページ http://kikumatsu.com/

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