インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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両親の介護体験をもとに始めた介護事業で地域社会に貢献を 株式会社愛のケア工房 はるか 岩井 美智子 社長

必要な情報を必要な人へ届けられる事業所をめざして

デイサービスや訪問介護サービスなどの在宅介護支援事業を展開する株式会社愛のケア工房はるか。12年前に創業した岩井美智子社長は、もともと学習塾の経営者で福祉事業については素人だったといいます。
「きっかけは、両親の介護でした。認知症を発症した母と、頸椎をわずらって身体の自由がききにくくなった父と、その二人の世話をするなかで、介護をする家族側から見えたもの、感じたことがあったのです。例えば、介護のための住宅改修で受けられる援助も、情報を得て申請しなければ受けられない。そうした不平等をなくすために、必要な情報を必要な方に届けられる事業所を作りたい。そう考えました」。
そこから岩井社長はヘルパー2級の資格を取得したり、堺市の起業家支援スクールに通ったりするなどの準備を進め、2000年4月、介護保険制度のスタートとともに、事業所を立ち上げたのです。


▲半身麻痺などで全く歩けない、足を動かせない方も両足でこぐことのできる「足こぎ車いす」。楽しくリハビリができるうえ、自分で移動する喜びから利用者の方に笑顔が戻りました。愛のケア工房はるかでも購入しました。

介護する家族の視点からサービスのあり方を考えて

「両親の介護体験を活かしたサービスを」という岩井社長の思いは、愛のケア工房はるかのサービス内容の随所に表れています。半日型デイサービスは新しい「教室型」で、そのメニューも、リズム体操や社交ダンスのほか、書道、囲碁・将棋、大正琴、パソコン、英会話など、まるでカルチャーセンターのよう。それも、岩井社長の父親の「退屈なデイサービスに行くより、家でワープロの練習をしていたい」のひと言がヒントになっているそうです。
そして、訪問介護サービスでヘルパーさんに徹底しているのは、家の中をきれいにすることだとか。「高齢者の方には、一人分の食事は何とかできても、家の掃除は重労働。ところが、家の中が汚いと気持ちがすさんでくるんですね。だから、いつも家をきれいにしてあげてくださいとお願いしています」と岩井社長。これもまた、利用者に寄り添ったサービスだといえるでしょう。
ご両親の家を事業所に改装したデイサービス「はるか広場」も自宅にいるようなアットホームな雰囲気の中でサービスを受けられるのが魅力です。


▲「堺市の起業家支援スクールのおかげで人脈が広がり、多くの方に助けられた」と語る岩井社長。


▲両親の自宅を改装して、民家型デイサービスを提供している「はるか広場」。

地域の高齢者を地域で見守るそんなまちづくりの担い手に

愛のケア工房はるかが事業所を置く南区槙塚台は、約45年前に開発された泉北ニュータウン内にあります。主な居住者層の高齢化にともなってニュータウン全体の空洞化などが問題になり、市民や市民団体、専門家、自治体が連携して地域づくりを考えようと「泉北ニュータウン学会」が設立されています。
岩井社長も理事として参加、福祉部会に籍を置き、高齢者が安心して生活できるまちづくりを視野にさまざまな発言、活動をしてきました。高齢者が生き甲斐を感じて働くためのボランティア団体「創(そう)の会」の支援や、事業所の近くに作られた共同レストランやそこで行われている配食サービスもその一つです。
「地域の高齢者を地域で見守っていく。そのためにも、もっと地域内に雇用の場を作り、若い人たちにも住んでもらえるまちづくりが大切」と語る岩井社長。地域の方たちの活動の場に事業所を開放するなど、愛のケア工房はるかでも、高齢者と若い世代とがふれあう場づくりが行われています。

株式会社愛のケア工房 はるか

代表者 代表取締役 岩井美智子
本社 堺市南区槇塚台3-1-23
TEL 072-293-4195
設立 2000年設立
資本金 1,000万円
従業員数 スタッフ30名、登録ヘルパー70人
事業内容 居宅介護支援サービス・訪問介護サービス・福祉用品販売・住宅改修サービス・デイサービス
ホームページ http://www.careharuka.com/


半日型デイサービス「はるか倶楽部一期一会」は、学びたいメニューを自分で選べる。地域のプロの方たちがボランティアで講師を務めている。

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック