インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~
創業時から継承してきた、高次元での課題解決の姿勢
ミウラ化学装置(株)が今日、ろ過や排水、排ガス装置の事業で大きな発展を遂げてきたその原点は、第二次世界大戦中にまでさかのぼります。当時、創業者の三浦貢氏が空気や液体を浄化する研究に携わるなか、ドイツのろ過技術にふれる機会があったのだとか。1953年の会社設立後にもアメリカに再三渡っては、高い技術の導入に努めてきました。
そうした先進の技術を追求する姿勢を創業時から今に継承してきたミウラ化学装置。三浦紀彦社長は「4つの事業に共通していえるのは、高いレベルでのお客様の要求に、一つひとつ丁寧に応えていくカスタムエンジニアリングが当社の強みです」と話しています。
なかでも創業時からの珪藻土ろ過装置については今や、同社の右に出るものはなく、トップシェアを誇っています。
▲全自動で操作性にも優れた「プール用ろ過装置A-1フィルター」。
▲水に溶かした墨の粒子もろ過できる珪藻土ろ過方式。
高いろ過精度を誇る珪藻土ろ過をプール用に
ビールや醤油などの製造工程で使われてきた珪藻土ろ過装置の高い性能を他にも転用できないかと開発されたのが、プール用ろ過装置「A-1フィルター」です。水に溶かした墨のろ過を、さまざまな方式と比較してみると、A-1フィルターのろ過精度の高さは一目瞭然(写真参照)。1〜5μ(μ=ミクロン、1000分の1㎜)の汚濁物質を除去できるため、大腸菌やレジオネラ菌などおおよそ〝菌〟とつくもの全てに対応できる精度です。
しかもかなりの軽量コンパクトを実現しているため、設置後の省スペースはもちろん、建築費や基礎工事費などの低減を図ることもできます。搬入口で制限を受ける既設施設への交換も容易なのもメリットでしょう。
こうした性能の高さや利点が評価され、レジャープールや学校のプールなどはもちろん、オリンピックやアジア大会、国体などの公式な競技が行われるプールにも多く採用されています。最近では、昨年の秋に高校生の山口観弘選手が200m平泳ぎで世界新記録を樹立し、大きな話題となった「ぎふ清流国体」のプールにも、同社のろ過装置が使われています。
▲「ぎふ清流国体」の水泳競技会場となった「岐阜メモリアルセンター長良川スイミングプラザ」。
▲大阪のなみはや国体で会場となった大阪プール
環境保全と産業発展に向け高い技術力を携えて世界へ
すでに1万5千台を超える納入実績を持つプール用ろ過装置ですが、今後について「最近は化粧品などもますます粒子が細かくなっています。汚濁物質の変化にあわせて、ろ過装置自体の性能を高めるのは当然ですが、今後はさらに、より環境に配慮したもの、ユーザーの使い勝手の良いものへと進化させていきたいと考えています」と三浦社長。
地球環境といえば、昨今中国から大量に飛来するPM 2・5などが大きな問題になっています。かつて高度経済成長期に問題になった日本の公害が、国主導の排ガス規制で改善されたように、やがて中国や東南アジアにおいても、同社の装置への需要が高まるに違いないと三浦社長は考えています。産業の発展と環境保全の共存をめざし、日本から世界へ。同社のますますの活躍が期待されます。
▲環境保全が重視されるなか、同社の脱臭装置などへのニーズは高まるばかり。
ミウラ化学装置株式会社
代表者 | 代表取締役 三浦紀彦 |
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本社 | 堺市美原区木材通2-2-1 |
TEL | 072-362-8020(代) |
設立 | 1953年設立 |
資本金 | 4,800万円 |
従業員数 | 90名 |
事業内容 | ろ過・排水処理装置、排ガス処理装置、騒音・脈動防止装置、ミスト分離装置の製造・販売 |
ホームページ | http://www.miura-eco.co.jp/ |