インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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社員の自主性を育むリーダーへ。 株式会社松本機械製作所 松本 知華 社長

洗濯機の修理から遠心分離器メーカーへ

昭和14年、旋盤などの作業機械メーカーとして創業。戦後、洗濯機の製造経験のある技術者が入社したことで、「洗濯機の修理」を大きく掲げたところ、大手製薬会社から分離機の修理を打診されたのが、遠心分離機専業メーカーとしての発端となった。今日では、製薬業界でトップシェアを誇る。

開発から製造、メンテナンスまでトータルプロデュース

薬品業界で約70%のシェアを誇る遠心分離機専業メーカーの㈱松本機械製作所。その強みは、ユーザー企業の多様なニーズに対応した豊富なラインナップと、さらに個々の用途や設置場所に最適な性能や仕様を提案するプロデュース力。それは、キズ一つも許さない製薬業界の高い要求レベルの中で鍛えられた同社の技術力に裏打ちされたものです。
こうした技術開発型のものづくり企業である松本機械製作所を率いるのは、松本知華社長。創業75年という節目に当たる昨年6月に就任したばかりです。松本社長にあらためて、同社の製品についてうかがいました。
「かつては大量生産対応型製品が最もよく売れましたが、最近は少量で効力を発揮する薬が主流となりつつあることから、当社の製品も少量多品種対応型へと売れ筋がシフトしています。さまざまなニーズに対応できるよう多様な製品をご用意しており、例えばクリーンルーム内で厳しく原材料を管理されるお客様には、埃などが発生しやすいモーター部分を室外に出して設置できるよう、斜め排出型の製品をご提案するなど、お客様の用途や使用環境、求められる性能などを営業がじっくりヒアリングした上でカスタマイズしています」。


出産・子育て時期を避けての社長就任という決断

ところで、松本社長が30代の若さで会社経営を引き継ぐこととなった経緯をうかがうと、そこには女性ならではの判断がありました。
「先代社長の父は以前から、60歳になったら、二人姉妹の長女の私に経営を譲ると言っていました。ところが、父が60歳になる3年後は、私の出産や子育て時期と重なります。会社を守らなければいけない一方で、自分の家庭も守らなければならない。それは大変だと、自分のためだけに時間が使える今のうちに経営を引き継いでおきたいと考えたんです」。
若い女性の経営者について、得意先企業をはじめ、周囲の反応は「就任の挨拶に回った時は、一様に驚かれました(笑)。『女性で大丈夫?』と言われたこともありますが、技術的なことは現場がしっかり対応できるわけですし、むしろ、若いゆえのメリットを感じますね。社内外の諸先輩たちの懐に飛び込んで、教えを請いやすいですから」と松本社長。
いつか経営を委ねられることを前提に、法学部を選択していることも興味深い。「先々代の祖父は技術者でしたが、父は営業畑の人間でした。ものづくり企業のトップが技術者でなければならないことはなく、契約など法務面をカバーできればと考えています」。


自主性の育成と技術の平準化、情報システムの構築でより強く

めざす経営者像について、松本社長は「父はいわゆる支配型経営でしたが、女性の私は、社員が自分で考えて行動できる自主性を育て活かせる母親的存在になりたいと思っています。私自身、子どもの時に『勉強しなさい!』と頭ごなしに言われると、逆にやる気が起きなかった覚えがありますから。一方、誰がやっても均一に高品質なものづくりができるよう技術の平準化も必要だと考えています。さらに、帳簿や社員の記憶に頼る情報管理ではなく、利益率や生産効率などをシビアに分析・管理するシステム作りも進めていきたいですね」。
ものづくりの現場に女性が増えていることを受け、女性にも扱いやすい製品づくりにも取り組みたいと語る松本社長。今後は、これまでに蓄積した同社独自のノウハウを活かし、食品や化学などの他業界でも積極的に販路を開拓していくほか、高速で回転する物の制振技術を分離機以外でも活用できるのではないかと模索中です。旧来の枠にとらわれることのない柔軟性と、変えることを恐れない大胆さ。女性の強さを武器に、ますますの成長が期待される企業です。


▲ろ過の難しい自然物に対応した遠心分離機「HERVA」。 大阪府立大学との共同研究で誕生した。

女性ならではのきめ細やかな心配りで社員という家族が住むステージ作りを
時間があれば、現場を歩き回る。「女性の第六感というのでしょうか、いつも見ていると様子が違う時に『何かあったな』とすぐに気づきますね(笑)」と松本社長。また、お得意先へはもちろん、社員のお祝い事も大切に考える心配りは、女性らしい感性だといえる。「社会はより良くするには、男性だけでなく、女性の視点も重要なんですよ」と語られた。

株式会社松本機械製作所

代表者 代表取締役 松本知華
本社 堺市堺区錦綾町2-5-1
TEL 072-229-3388(代)
設立 1939年設立
資本金 1,100万円
従業員数 50名
事業内容 各種遠心分離機の開発・製作、遠心分離機に付属する化学機械・装置の開発・製造
ホームページ http://www.mark3.co.jp/

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