インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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イベントの告知・集客に向けICTが大きなチカラに 株式会社ライブアウト 代表取締役 太田 憲治

ICTの知識と技術を活かして世の中に新しいサービスを

 株式会社ライブアウトの太田憲治社長の名刺には「アイデアデザイナー」とあります。2006年に、15年間勤めたソフトウエア会社を退社してプログラマーとして独立する際には、独自に考案したWEBサービスで勝負がしたいと考えていたとか。「もともと、ものづくりが大好きで、自分が培ってきたITの知識と技術を使って、世の中に新しいものを提案したいと考えていました。実際、これはいいな、面白いなと思うサービスを次から次に20ぐらい考え出しては立ち上げ、大手IT企業などが主催するコンテストに初めて応募したコンテンツも3位に入賞しました」。
 その後も、自ら考案したコンテンツでコンテストに応募しては、何度も受賞を重ねてきた太田社長ですが、実際のサービスとして、高い収益に結びつけるのはなかなか難しかったといいます。
 そうしたなかで、着実にアクセス数を増やし、同時に広告収入も大きく伸びたのが、2009年にスタートさせたイベント集客支援サービス「こくちーず(告知's)」でした。
 「独立後に、私自身がビジネス関連の勉強会を主宰していたのですが、効率よくイベントを告知し、さらには申込みを受け付ける方法はないかと探してみたんです。しかし、見つからなかったので、それじゃ自分で作ろうと考えたのが最初でした。つながりのできていた他のコミュニティにも紹介し、口コミで広めてもらえましたね」。


▲高度なIT技術を駆使してというよりは、ターゲットをどうセグメントするかといった独自のビジネスモデルを訴求していきたいと考えている。

「こくちーずプロ」は開設から2年半で会員数14万人に

 無料でイベントやセミナーの案内ページを作成できるほか、参加者の受付けや集計も簡単だということで、イベントやセミナーの主催者や参加者からも好評を博して、利用者数を伸ばした「こくちーず」。2015年には、機能をよりグレードアップした「こくちーずプロ」を開設しています。「こくちーずプロ」では、これまで通り、無料でイベントやセミナーの案内ページを作成できるほか、有料のプレミアム会員制度を設けて、広告を非表示にしたり、案内ページのデザインのカスタマイズやアクセス解析を行ったりといったサービスの充実を図っています。また、自分のイベントの露出を高めることのできる有料のオプション機能も加えられ、より収益性の高いサービスとなりました。現在は「こくちーずプロ」だけで14万人の会員数を誇っています。
 創業当時に請け負っていたホームページの受託事業から撤退し、自社サービスの運営事業メインにシフトしたという太田社長。2010年に、「企業として生き抜き、継続させる」という願いを込めて命名した(株)ライブアウトを設立させた時に、ホームページのトップ画面に大きく掲げたのは、「本質を見極める」「選択する」「集中する」でした。


▲定期的なアンケートだけでなく、ユーザーからの日々の問合せの中にも、サービスの機能向上のヒントが隠されていると太田社長は考えている。

行動履歴の活用で本人も気づいていない興味の引き出しも

 そこに込めた思いについては、「まだ企業規模も小さく、限られた資源のなかで、競合他社に負けない自社の強みを見極め、そこに集中して勝負しようという当社の経営ポリシーです」と太田社長。例えば「こくちーず」のようなイベントの募集サイトについても、インターネットが当たり前に使えることを前提に作られているサイトが少なくないなか、太田社長が目指すのは、ITリテラシーの低い人にも使いやすく親しみやすいサービスだと語っています。
 「そのために最近は、定期的にユーザーアンケートを実施し、そこから拾い上げた不満や要望を、次の改善につなげています。日々のブラッシュアップが会員の満足につながり、ひいては会員数をさらに増大させることになっていますね」。
 今やネット広告でよく活用されている「検索連動広告」ですが、太田社長はさらに一歩踏み込んで、13万人の会員の行動履歴を一種のビッグデータ的に活用できるのではないかと考えています。例えば、「教育」というカテゴリーで検索をかけた人の多くが、全く異なるカテゴリーの同じイベントに関心を持ったとしたら、この無関係に思える2つのイベントをひも付けてアピールすることができるのではないだろうかということでした。すでに、会員ごとに個別のおすすめイベントを案内するメルマガを発行しているそうですが、検索させる前に、本人も気づいていない興味を引き出す、そんな究極のイベント告知サービスが始まる日も遠くないかもしれません。


▲イベントやセミナーの告知・集客支援サービス「こくちーずプロ」。写真は、トップページ。

▲「話題の犬型ペットロボットやスマートスピーカーのように、さまざまなものにインターネットをつなぐサービスやハードをいつか開発できたら」と語る太田社長。

株式会社ライブアウト

代表者名代表取締役 太田 憲治
本社堺市堺区楠町4-2-6
設立2010年設立
資本金300万円
従業員数2名
事業内容イベントやセミナーの告知サイトのサービス運営及びシステム開発
ホームページ http://www.liveout.co.jp/

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