インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

国産溶射装置のパイオニアとして多様な産業領域で貢献 コーケン・テクノ株式会社 代表取締役 秋本浩一

顧客の細かいオーダーに応えて信頼感と安心感を獲得

 1973年の創業当時は、欧米の溶射システムを輸入販売していたというコーケン・テクノ株式会社。しかし、その2年半後には、自社で独自に開発した最初の溶射プロセス「ガス式ワイヤー溶射ガンM-1型」を発売しています。当初より国産の溶射システムのメーカーを目指しての創業でした。
 「創業者である先代は、溶射機器を扱う商社に勤めていた時に、溶射の技術や知識を習得しました。当時は、欧米からの輸入製品が主流でしたが、自動車や橋梁などのインフラ関係の需要が急速に高まっている高度経済成長期を迎えて、国産の溶射機器を製造販売したいという思いを強めていったようです」と秋本浩一社長。しかし、最初に使い馴染んだ欧米製の溶射機器からシフトさせるのは容易ではなかったとか。顧客のさまざまな細かいオーダーに応えるため、技術者が顧客と直接打ち合わせをし、何度も試験を繰り返しながらカスタマイズしたり、時には共同開発を行ったりという製品づくりを積み重ねて信頼感や安心感を獲得。市場を開拓していきました。
 同社が長年蓄積してきた溶射技術の豊富なノウハウや、高い開発・設計力に加えて、製品をテスト・評価する技術に優れていることも強みで、それもまた同社への大きな信頼感につながっています。


▲同社の溶射技術が活かされている自動車部品。

全ての溶射プロセスに対応、幅広い産業領域で活躍

 溶射材料にはさまざまな金属や合金属、セラミックなどの非金属などがあり、さらには燃焼ガス火炎、電気アーク、プラズマ炎といった加熱方式との組み合わせで、約10種類の溶射プロセスがあります。同社の最大の強みはそのすべてに対応していることでしょう。「溶射を行う目的は耐摩耗や防蝕、防錆のほか、電気を通すという導電性を求めてのこともあります。一つの溶射機器では幅広い工業分野の、全てのオーダーをカバーできませんから」と秋本社長が語るように、今日、同社の納入先は自動車から電子部品、鉄鋼、インフラ関連と多様な産業領域に拡がっています。
 例えば、燃焼炎中にワイヤーを連続的に送給して溶融した材料を圧縮エアで微粒化して吹き付けるガス式は、橋梁や造船など大型構造物によく利用され、溶射ガンが軽いため現地での施工にも向いているとされます。
 一方、電気アーク式は連続的に送給される2本のワイヤーを交差させることで発生するアークの熱でワイヤーを溶融させるもので、ガス式よりコストが低く、しかも安全で制御しやすいのが特徴です。このアーク溶射の一部のアプリケーションで、コーケン・テクノは、トップシェアを誇っており、その理由は、それ専用の大きな電源を自社で独自に開発・製品化したことにあり、今なお、他メーカーにこれに対応できる溶射電源はないといいます。


▲シフトフォーク(自動車部品)への高速フレーム溶射ガンによるモリブデン溶射。

マルチスキルを有した人材を育成、海外からの売り上げが今や50%

 こうした同社の高い技術力は、それを支える人材育成があってのこと。「定期的に勉強会を開いているほか、展示会での説明員を務めさせ、本人の知識不足や責任感を認識させることで、モチベーションアップを図っています。大型案件については、リーダーを決め、仕様の打ち合わせから見積もり、受注後の仕入れ、工程管理までを任せて、マルチスキルを身につけた人材育成に努めています。当社の規模では、そうした人材が不可欠だと思いますね」。
 今後については、2機種のモデルチェンジを図るほか、さらに2機種の新製品の開発を計画中だとか。「溶射は複合技術の集まりです。当社としても、日々、進化を続ける技術を取り入れて、それらを融合、集約させることを絶えず心がけています」と話す秋本社長が次に狙うのは、省力化、省人化の流れを受けて、溶射装置とロボット、防音ボックスをパッケージ化したものを市場に広げることだと言います。
 かつて欧米のメーカーを相手に苦戦した時代もあったという同社ですが、今や、北米やヨーロッパ、中東、東南アジアといった海外での売り上げ比率が全体の約50%。昨年、チェコでのある案件では、競合のアメリカとイギリスのメーカーを抑えて受注に成功しています。
 「メイド・イン・ジャパンの誇りを持って、今後も日本のものづくりを支えていきたい」と秋本社長。代理店のないベトナムの企業が、タイで同社の溶射システムを見て発注してきたように、Coakenブランドがグローバルブランドとして確立する日も遠くなさそうです。


▲製造を外注する「ファブレスメーカー」であるがゆえに、製造設備資金を開発に回すことができる。

コーケン・テクノ株式会社

代表者名代表取締役 秋本浩一
本社堺市西区築港浜寺西町5-2
TEL072-268-1201
設立1973年設立
資本金2,500万円
従業員数9名
事業内容各種溶射機の製造・販売、溶射自動専用装置の設計・製作販売、溶射付属器具の販売、溶射付帯設備の販売、溶射材料の販売
ホームページ http://www.coaken-techno.co.jp/

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック

  • メールマガジン
  • お知らせ一覧
  • 南大阪地場産業ポータルサイト
  • さかい健康医療ものづくり研究会
  • さかいIPC
  • 堺の匠を贈る