インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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「匠の技」を武器に取引先を拡大 山内鉄工株式会社 代表取締役 山内 忠

ITバブルの崩壊などの体験から一社偏重からの脱却を図って

 1963年に創業し、長くダイヤモンド工具の製造で豊富な実績を誇ってきた山内鉄工株式会社。それを強みとして、かつては、ある1社との取引で売上の80%以上を占めていたこともあったといいます。2 0 0 1 年頃のI Tバブルの崩壊や、2008年のリーマンショックを経て、そうした状況に強い危機感を抱いたのが、7年前に代表取締役に就任した山内忠社長です。「ITバブルが崩壊した時は、前月に1千万円あったある得意先からの売上がゼロになり、リーマンショックの年は、売上は半減。経常利益も5%を切る事態になりました」。
 そうした時にアドバイスされたのは、亀の甲羅のような八角形を考え、現在の自社が強みとする産業領域を一つの辺と考えるなら、そこで培った技術を活かして、その辺に接している隣の一辺への進出も可能なのではないかということだったそうです。


▲常に最新の機械を導入することで、ハイレベルなものづくりを実現。
「門型マシニングセンター」は、同時に高精度な5面加工をできるのが特徴だ。

半導体や有機ELなど先端産業向けに新規開拓

 「一つの産業領域に絞り込むことのリスクを回避するため業界を分けて、しかもその業界で最大手の企業さんとお取引したいという目標を掲げて新規開拓に回りました。ちょうどスマートフォンがこれからという時期だったので、まずは半導体事業から攻めたところ、最初はわずかな取引額からのスタートでしたが、プリント基板外観検査装置を皮切りに、直接描画装置や液晶用半導体露光装置へと拡がり、今や1千万円を超えるお取引となった企業さんもあります」と山内社長。
 その後も大型有機EL露光装置の部品、無人搬送装置、リチウムイオン電池のカバーフィルム巻き取り装置の部品と、複数の産業領域で取引を拡大中です。それを実現できたのはもちろん、その土台に同社の高い技術力があってのこと。同社で「匠の技」と表現している技術力について、山内社長は「精密加工には機械化できない感性が必要だと思っています。例えば、どのような加工が、どれほど熱を持つのか、膨張するのか。それは材料や加工している現場の気温などの環境によっても違ってきます。当社の技術者は、長年に蓄積した経験値でそれに繊細に対応しているんです」と語っています。


▲角パイプやフラットバーなど多数の素材を高精度に加工する「液晶用半導体露光装置」。

"年功序列"を廃止し、高い技術に正統な評価・待遇を

 発注者が求める以上の高度な技術を提供したいと、同社では、設備のプログラミングとオペレーションを分業せずどちらもできるようにするなど、全工程を見通しながら作業が行える技術者を育てているとか。一方、昔のように「わしの背中を見て覚えろ」は通用しないとも考える山内社長は、工程ごとのマニュアル作りにも取り組みたいと言います。
 自らスキルを磨いたり、経営者意識で行動したりできる社員には、年齢や勤務年数に関係なく、その評価を給与に反映させるようにしました。「納期を確実に間に合わせるよう、自分で考え行動してくれる社員が増え、ありがたいことです」と山内社長。アドバイスをされた八角形は今や5辺を埋めたといいます。今後も機動力を活かして、顧客企業のかゆいところに手が届く"小さな巨人"でありたいと語っていました。


▲新規開拓に際して、ハードルの高い新しい加工にも、失敗を恐れずに挑戦することを求めた結果、技術力はさらに向上したと山内社長。

山内鉄工株式会社

代表者名代表取締役 山内 忠
本社堺市西区鳳東町6-624-7
TEL072-274-0728(代)
設立1963年設立
資本金1,000万円
従業員数29名
事業内容精密機器・半導体部品製造、産業機械・工作機械部品製造、各種ダイヤモンド工具製造、切削金属加工・金型製造
ホームページ http://www.yamauchiiron.co.jp/

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