インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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ロボットシステムで生産現場の未来を変える 株式会社古賀機械製作所

多様な生産現場でオリジナルの自動化のシステムをトータル提案

 さまざまな生産設備の自動化・省人化機械の設計から製作までを行っている古賀機械製作所。創業は1985年です。
 「創業時から決めていたのは、開発から製造、納品まで全ての工程で責任を負うメーカーでありたい、ということでした」と古賀弘司社長。それが現在、同社が強みとする「ワンストップサポート」につながっており、自社内で完結させる一貫生産体制により、納品までのスピード、コスト、品質で強みを発揮しています。
 ところで、古賀社長が初めて自動機の製作に携わったのは約40年前のこと。生産現場の自動化がまだまだ一般的ではなく、その後はしばらく関わることもなかったそうですが、創業数年後に、ゴム製品の大量生産に対応する省力化機械の開発を行ったのをきっかけに、自動化機械の製作に携わるようになりました。現在はマイクロタップシリーズとして、プレスとタップを同時に加工できるタップ加工ユニットやトムソンスタンピングプレス、シュリンクラベラー装着機などの自社オリジナル製品を製造・販売しているほか、多様な業界の生産設備の自動化、省人化に向け、設備一式をトータルに提案するオーダーメイド事業を展開しています。


▲部品も全て自社内で加工

最初のロボット開発から20数年
急速に高まる需要に応え続けて

 「これまで最も難しかったのは、どちらを向くかわからないケーブルに端子をかしめ、さらにソケットを差し込むといった6工程を自動化する案件でした。紙やフィルム、食品など形状が一定でなく、また固定しにくいものは、人ならたやすく扱いますが、機械はそうはいかない。時には自動化しても採算に合わないのは、こういったケースですね」と古賀社長は語っています。
 そうしたなかで、今や無視できないのが複雑な動きに対応できる産業用ロボットです。同社では、1993年に初めて検査装置に搭載するアームロボットを開発しました。「検査対象が単種類ではなかったため、いろんな動きのできるロボットが必要となったのです。その頃はロボットの情報も知識もなく、将来への先行投資と考え、採算を無視して開発に取り組みました」。しかし、すぐにロボット事業が成立したわけでなく、古賀社長の実感としては6~7年前から発注が増え始め、この2~3年で急増してきたといいます。
 同社のロボットシステム事業を担う専任スタッフは7名。ロボットを含む周辺装置を一体的に開発できるのがものづくり現場を知り尽くした同社の強みだといえるでしょう。今後も注力すべき事業ですが、古賀社長は「日本では、ロボットを設計できる人材が激減している」と嘆いています。特に、ソフトウエアだけでなくハードウエアやネットワークを統合した情報システム全体を構築できる人材が足りないのだとか。「当社は自動化のお手伝いをしているけれども、我々の仕事自体は自動化できませんからね。ハンドメイドのようなものです」と語っていました。


▲地域の女性や子どもたちの目にもふれるよう、近々産業ロボットの展示ルームをオープンさせる予定

日本のものづくりの発想で貢献すべく欧米への進出を目指して

 そこで、古賀社長が力を入れているのが教育です。外部の機関を活用して、毎月数名の社員をセミナーやスクールに送り出しています。「基礎的なことから最新の技術まで、すぐには身につかなくても学び続けることで仕事に向き合う意識が変わりますし、モチベーションも上がります。それこそが私の重要な役割です」。産業ロボットはますます進化し、人間の目に代わる機能を備えれば識別する能力も発揮し、さらにはAIで自ら学習し始めるようにもなると古賀社長。中小企業も常に先進の情報と技術を取得し続けなければ、将来はないと考えています。
 今後は世界へ、なかでも欧米への進出を目指したいと抱負を語る古賀社長。「そのためにはもっと出会いの場を作りたいと思っており、近々海外の展示会にも出品する予定です。また、グローバルに活躍するためには、まず社内の国際化からと、外国人の社員も採用し始めました。それがまた、社内の意識を変えることにもなるでしょう」。
 日本ならではのものづくりの発想が、海外においても貢献できるはず、と古賀社長は確信しています。


▲平均年齢が30代という若手技術者の活躍が目立つ

株式会社古賀機械製作所

代表者名代表取締役社長 古賀弘司
本社堺市美原区今井88-1
TEL072-289-7207
設立1985年創業 2000年設立
資本金1,000万円
従業員数24名
事業内容自動化装置、専用機、加工機の開発・製造
ホームページ https://kogakikai.co.jp/

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