インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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信頼性の高い省力化自動機械で生産現場を支援 株式会社竹原理研

創業時はあらゆる注文に応えて技術を磨き、顧客を獲得

 1980年に、貸ガレージからの創業だったという株式会社竹原理研。竹原利一社長が独立前に勤めていた会社で、技術の高さが評価され、自動化が今日のように普及するその前から、自動化機械や省力化機械の製造に関わることもあったといいます。独立に際しては「一般的な部品加工業では、価格競争に巻き込まれることは目に見えていたので、最初から産業機械の開発から手がける会社を作ろうと思っていました」と語っています。
 創業当時は、近隣の工場の設備など、注文されれば、可能な限り引き受けていたと竹原社長。「銀行通帳のビニールケースを作る金型の製造から機械修理など、来るもの拒まずで、あらゆる業種のあらゆる注文に応えてきたことが、当社の技術力をさらに高め、また納めた仕事が実績となって次のお客様を紹介いただくなど、顧客開拓にもつながっていきました」。
 そうしたなかで、まだまだ人の手に頼るところの多い製造現場で、その作業がやがて機械に取って代わられる時代が来ることはわかっていたと語る竹原社長。省力化を図るための自動機械の開発・製造を主事業と定めていました。同社がまず手がけた自動機械は、ある大手総合電器メーカーに納めた自動組立機だったといいます。
 「部品をつまみながら角度を変えるなど、とても複雑な作業をこなす人間の手に、機械はなかなか勝てません。今日のロボットのような技術もなかった当時はボディの差し込み口に部品を取り付ける組立機ではなく、その本体のジャック板の検査機から参入しました」と当時を振り返って、竹原社長は話しています。やがて、その検査機も色の判別まで行う自動検査機に進化させ、高い評価を得ることになりました。


▲設計専任の社員は置かず、現場の技術者が個々の考えで設計から製作まで行っている

社員のほぼ全員が設計から現場に強いものづくりを実現

 業種も、扱う素材も異なる機械をオーダーメイドで生産している同社では、工場の設備だけでなく、量産される機械の試作を担うことも多く、量産機として使用される時のことを考えて細かい部分まで配慮するのに苦労するのだと竹原社長は話しています。
 先述の電器部品関連の機械のほか、医療検査キットの自動組立機や、そこに抗凝固剤などの薬剤を注入する分注機など、より高い信頼性が要求される自動機の開発・製造を行っている同社の強みについてうかがいました。
 「まず、社員のほぼ全員が設計もできることです。設計図面が出来上がるまで加工を始められません。手待ちの時間的なロスを出さないためにも、設計の段階から関わっています。それによるメリットは、納期の短縮とコストダウンのほかに、ものづくりの現場で実際に扱いやすい機械を設計できることです。加工するうえで無駄な工程も、無駄な加工も発生しません」。
 この発想は、納入先においても大きなメリットとなっているようです。ある得意先企業で、他社製の自動機にトラブルが発生し、修正がしにくいからと竹原理研に注文がありました。
 「設計屋さんが設計した機械は、トラブルが起きた時に、現場で対処するのが難しいことが多いのです。当社は、常に現場で対応できること、扱いやすいことを意識しているので、何かトラブルがあっても、現場のパートさんがその場で解決できるよう、構造を複雑にせず簡素化しています」と竹原社長。全てに現場主義を貫いているといえるのでしょう。それが、相手企業の厚い信頼を獲得しているようです。


▲医療用検査キットの分注および組込み機

今後はより高い品質の求められる医療・介護の分野で技術を活かす

 製造業における省力化、自動化の流れを長く見てきた竹原社長は、「日本のものづくりが、人件費の安い海外に移転したものの、まず中国の人件費が高騰し、製造拠点はベトナム、カンボジア、ミャンマーなどへ移っています。今後は、これらの国で省力化自動機械の需要が高まるでしょうし、中国では、ロボット化が急速に進展しているようです。このように一度海外に拠点を移したメーカーが、日本に帰ってくることはないと考えています」と話していました。
 そうしたなかで、同社が今後のビジョンとして注目しているのが、医療や介護関係です。
 「高齢社会で入浴や歩行にサポートが必要な人は増え続けていますし、また、手術後のリハビリでも補助機器が大切な役割を果たしています。品質の確かさが求められる医療の検査キッドの自動組立機や分注機にこれまで通りに携わっていくのはもちろん、長年に培った経験や発想力、技術を活かして介護などの補助機器の開発を進めていきたいと考えており、現在、堺市産業振興センターの" さかい健康医療ものづくり研究会" にも参加しています」と竹原社長は語っていました。


▲特定の産業領域を定めず、幅広く対応できることを強みとしている

株式会社竹原理研

代表者名代表取締役 竹原利一
本社堺市中区深阪4-19-14
TEL072-236-8067
設立1980年設立
資本金1,000万円
従業員数7名
事業内容各自動機・汎用機・治工具の設計・製作
ホームページ http://takeharariken.co.jp/

貸会場のご案内 TEL 072-255-0111 FAX 072-255-3570 ご案内ページはこのボタンをクリック