インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

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IT事業に加えて就労継続支援事業も夢は福祉の待遇改善 株式会社Aveire(アヴィーレ)

 14歳から独学でホームページの制作を始めたという畠中祐太社長。そのスキルを活かしてWEBやSNSを活用したコンサルティング事業を展開してきましたが、3年前から福祉事業に挑戦。就労継続支援B型事業所を開所しています。

型にはまらないWEB制作で実績と信頼を蓄積

 畠中祐太社長が起業したのは19歳。当初はアパレル事業でのスタートだったといいます。
 「大学に入学したものの自分の力で勝負してみたいと中退し、最初は中国から仕入れた洋服をECサイトで販売していましたが失敗。個人で登録したクラウドソーシングで、WEB制作の実績が評価され表彰されたことから、本格的にWEB制作で事業を展開することにしました。
 当社の強みは、WEBとはこういうものという既成概念に捉われないWEB設計やマーケティングを提案できることです。私自身が独学でWEB制作を習得したため、ルールや型がないんです。最も大事なのはユーザーにとっての見やすさや使いやすさだと考えています」と畠中社長。具体的には、今では主流となっていますが、スクロールをずっと下に引っ張らせるようなページは訪問者の離脱率を上げるからと、ずっと以前から簡潔なページづくりを提案していました。当初は依頼主も懐疑的だったそうですが、実際に問合せ数も売上げも倍増し喜ばれた事例もあるといいます。


▲就労継続支援B型事業所「Sunny」にて、袋詰の作業を行っている利用者の皆さん。

障がいを持つ家族をきっかけに就労継続支援事業所を開所

 今では、動画配信を含めたSNSの活用による販促や採用活動を支援するコンサルティング事業も好評です。
 「動画配信によって収益を出そうとしている個人に向けたサポートも行っています。例えば、ネットで爆発的に話題になって一時的に100万回再生されたとしても、動画の内容に関心のない人を集めた100万回では意味はなく、映画やアニメ、スポーツといった自分の強みとする分野で安定して1万回再生される動画の方が、広告主がつきます。カリスマ的人気ユーチューバーにならずとも収益を上げられるノウハウを提供しているんです」。
 このようにずっとITの世界に身を置いてきた畠中社長が、3年前に就労継続支援B型事業所「Sunny」を立ち上げたのは、障がいを持つ家族がきっかけでした。
 「支援学校を卒業したあとの進路を考えても就職はなかなか難しい。その時に就労するための訓練場所として、就労継続支援事業A型・B型というものがあることを知りました。そこで、堺ではあまりないパソコンが使える作業所を作ろうと思い立ったのです。パソコンスキルを習得すれば、電車に乗ることや人混みが苦手な人もフリーランサーとして自宅で就労することができると考えたのですが、実際はみんなが作業所に集まって内職仕事をする方が楽しいようです(笑)。『Sunny』の雰囲気はいつも明るいですよ」。


▲WEB制作からコンサルティング事業まで行う同社社内風景。

人を率いる経営者として成長し余力で新たな「挑戦」の準備を

 全く異なる分野への参入で戸惑うことはなかったのか尋ねると、畠中社長は「行政と関わることが多く、慣れなくて大変です。あと、利用者の方たちとどう接したらいいのかということも最初は戸惑いました。しかし、『人と人』として接することが大切と気付いてからは、良い関係になったと思います」と答えています。
 畠中社長が同事業所を始めるにあたって決めていたのは、福祉事業だからこれはできないとか、利用者がやりたいことを最初から無理と決めつけないということでした。昨年11月に開催したハンドメイドショップも、同所の特別プログラムとして制作したハンドメイド作品を販売したいという利用者の声から始まったものです。
 「ハンドメイド商品が思った以上に売れたほか、手作りパンは売り場に並べたとたんに完売で、利用者のみんなが店頭に堂々と立っていたのが印象的でした。人間の可能性って無限大だと思いましたね」。
 「Sunny」ではハンドメイド以外にも、エクセルやワードの検定試験合格を目指す特別プログラムがあり、今年は1名の合格者を出しています。
 福祉事業を通して、自分自身の人間的な成長を実感すると畠中社長。ハンドメイドショップは他の作業所とも連携して地域の一大イベントに発展できないかと構想しています。そして、「3K」と言われる福祉業界の待遇改善をまず自社から実践しながら、いつか収益性の高い業界へと仕組みを変えられたらと語っていました。
 経営者としての成長を目指し「任せる勇気」を持ちたいと畠中社長。そこで生まれた余力で、次の「挑戦」に備えたいと語っています。

特集 企業のターニングポイント

パソコンスキルを学べる作業所を開所したきっかけは、障がいを持つ家族の就労支援を行うため、自身の強みであるWEBノウハウを生かす方法を考えた末の事でした。今後も枠にとらわれない新しい発想で事業に取り組みます。

株式会社 Aveire(アヴィーレ)

代表者名代表取締役 畠中 祐太
本社堺市堺区東雲西町3-1-30-203
TEL072-343-1164
設立2012年創業 2019年設立
資本金500万円
従業員数9名
事業内容ホームページ制作やWEBシステム開発、販促事業、就労継続支援B型事業所の運営、清掃事業
ホームページ https://aveire.co.jp/
さかしる掲載ページ https://sakacil.com/detail/?id=4282

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