インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~
全工程を一括管理・加工する複合加工や金型不要のレーザー加工分野で強み
プレス・ヘラ絞り加工から切削、板金・溶接、塗装など全ての工程をワンストップで行う国誉アルミ製作所。その複合加工によりコストの低減が図られるほか、小ロット多品種にも対応できることで強みを発揮しています。最近では、3次元レーザー加工機を導入して、金型が不要になるレーザー加工分野にも進出。原子力発電設備の部品や学術試験用装置などのシビアなものづくりも得意としています。
そうした同社の事業を支えている一人が、あらゆる事務処理をマルチにこなすスーパー事務員の岡本あけみさんです。島田暁令社長も「当社の成長には、彼女も一緒に勉強してサポートしてくれたことが大きい」と語っています。例えば、国や自治体の補助金制度の活用。一般には申請書類作成の面倒さからコンサルタントに申請代行を依頼することが多いなかで、岡本さんはこれまでにものづくりや省エネに関連した補助金制度3件の申請手続きを一手に引き受け、全て採択されています。
▲高精度NCスピニングマシンの導入により、加工の大小を問わず常に精度の高い製品づくりが可能に。
言われたこと以上の仕事をしたいと補助金の申請も資金繰りも一手に
「きっかけは、先代社長がある補助金制度のことを耳に入れてきて『ちょっと調べておいて』と頼まれたことでした。言われたことを言われたこと以上に応えたいので、何度も堺市産業振興センターの指導を受けながら自分で申請書類の作成に挑戦しました。結果、無事に採択された時は嬉しかったですね」。
2007年に入社するまで事務職に就いたことがなかったという岡本さん。経理の知識も経験も全くありませんでした。
「事務所で資金繰りの話をされていても、自分だけが蚊帳の外にいると感じていました。言われたままに数字を入力するだけの作業で、内容を全く理解していない。そういう仕事の仕方が性格的に嫌なんですね。商工会議所で開催されていた簿記のセミナーを受講したいと先代社長に申し出たところ、費用も何も確認しないまま、全額会社負担での受講を許してくれました。そのセミナーに終業後に半年間通い、その後は実務で経験を積み上げていきました。資産の会計について、終業後に会計士の先生を訪ねて教えてもらったこともあります。やがては先代社長からも会社のお金の流れのことなどを教えてもらえるようになりました」。今では余裕資金を積立口座へ移動するなど日々の資金繰りについては、事後報告のみで岡本さんに一任されています。
▲岡本さんが申請処理を行った補助金で購入できた最新機器
誰が欠けても会社の困らない全員が全ての仕事をできる事務所へ
日々の業務の中で大切にしているのは「相手の立場に立つことだ」と岡本さん。納期を急いでいる顧客と、すでに加工予定が埋まっている現場と、その間に入って双方が納得する方向で調整するよう心がけています。
岡本さんが自ら面接し採用を決めた他の2人の事務員たちには、ひとつができたら次はこれをと徐々に仕事を覚えてもらっていると言います。「この人がいないとわからないという状況を避けるため、ゆくゆく全員が全ての仕事を同じようにできる事務所にしたいんです」。
会社の持続的発展のためには、それをサポートする事務職も円滑で発展的な継承が必要だと岡本さんは考えています。
国誉アルミ製作所の人材戦略
失敗も許容してチャレンジを促す人材育成
将来を考えると若手の育成が急務だと、若手社員の採用に注力しています。定着率を上げるための働きやすい職場作りを大切にしているほか、若手の自主性を尊重した独自の育成方法を実践。最近、若手社員たちが自分の友人たちを誘って入社させたケースもあり、同社のこれまでの取り組みの成果が表れたようです。
株式会社国誉アルミ製作所
代表者名 | 代表取締役 島田 暁令(あきのり) |
---|---|
本社 | 堺市美原区北余部267-6 |
TEL | 072-369-2594 |
設立 | 1958年創業 2010年設立 |
従業員数 | 46名 |
事業内容 | 金属製品の加工・販売 |
ホームページ | https://www.kokuyo-al.com/ |
さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=3778 |