インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~
社会で生きづらい全ての人がイキイキと働ける場所づくりを
2014年の設立来、株式会社グランディーユは、知的・精神・発達障害を持っている人やニート・ひきこもりの人たちに働く場や居場所を提供すべく飲食事業のほか、多様な人材を雇用してきたノウハウを提供するハンズオン支援事業や地域活動支援事業「ぜるこば」など、幅広く事業を展開してきました。なかでも昨年1月に開所した就労継続支援B型事業所「レゾナンス」は、レゾナンス弁当の製造などを通じて、集団で働くことに必要なコミュニケーションや社会人としての基本的なルールなどを学ぶ場となっています。
同社の本拠地が、堺市産業振興センターにあるカフェ「メゾン・ド・イリゼ」で、ビジネスマネージャーの川村みのりさんは、ここでカフェやケータリングといった飲食事業と、就労継続支援B型事業所「レゾナンス」の両方の運営を担っています。
▲「メゾン・ド・イリゼ」の店内。
柔軟な考え方と大学で得た知識が新たな展開への力になると期待されて
「入社は昨年4月ですが、大学4回生だった令和4年の秋からインターンとして運営をお手伝いしていました。もともとは長年の憧れだった航空業界への就職を目指していましたが、コロナ禍に採用停止されていたこともあり、改めて自分の中で軸となる仕事は何かを考えました。そして、私が生まれ育った街であり、今も生活の場である最も身近な堺市で、何かを変えることに貢献できたらと思っていたところ、グランディーユのことを知り興味を持ったのです。すぐに小笠原社長に面接を申し入れ、生意気にも『私を入社させないのは御社の損失』と強気のアピールをしたんです(笑)」。
一方、小笠原恭子社長は「誰もがイキイキと輝ける場をこの社会に創りだしていきたいという理念に共感してくれたことと、福祉の枠にはめないで事業を展開してきた当社において、売上を確保しないと雇用を生み出せないことを一緒に考えてくれる人だと思い、採用しました。柔軟な考え方や幅広く物事を捉える力、そして大学で学んだ知識を活かして、今の当社に足りないところを一緒に考え、行動し、構築してくれると期待しています」と語っています。
▲(左)川村みのりビジネスマネージャー
福祉事業でもさらに貢献するため国家資格の社会福祉士を目指す
小笠原社長が日頃、「福祉事業とは関係なく、ご飯がおいしい、体に良い、雰囲気が良いという理由で選ばれるカフェでなくてはいけない」と話していることを受けて川村さんは「一般のお客様とレゾナンスメンバーが共存する場だから、その兼ね合いに気を遣っています。例えば、当店では箸袋にレゾナンスメンバーが自由に絵を描いてお出ししていますが、何も知らないお客様に違和感を抱かれないよう、そこに必ず『ありがとうございました』や『またご来店ください』といったメッセージも入れることにしたのです」。
あらかじめ計画していたことも、レゾナンスメンバーのその日の体調などによって思うように進められないこともありますが、「前にできなかったことができるようになったり、元気よく挨拶をして帰っていくのを見送っていたりすると、とても嬉しくなりますね」と川村さん。声を掛ける時は必ず名前を呼ぶことを大切にしているのだとか。「あなたのことを気にかけていますよ」ということと、「あなたへ話していますよ」ということを伝えるためです。
今後は福祉事業の方でも貢献できるよう、国家資格である社会福祉士の取得を目指したいと語っていました。
▲同社では今後、動物性の素材を使わないヴィーガンスイーツやグルテンフリーのスイーツの製造販売を、就労継続支援B型事業所の仕事として注力していく計画。
(株)グランディーユの人材戦略
理念の共有を第一に採用し対話を重ねて定着を図る
採用にあたっては、当社の理念に共感できるかとともに、その人の強みがビジョンの実現にどう活かしてもらえそうかをイメージします。定着という点で、障害を持つスタッフとはやりたいこととできることの乖離を少なくするため面談を繰り返し、正社員は一人で抱え込まないようチームで考え、多様な視点を持つことで認識のズレを早く解消するよう努めています。
株式会社グランディーユ
代表者名 | 代表取締役 小笠原 恭子 |
---|---|
本社 | 堺市北区長曽根町183-5 堺市産業振興センター内 |
TEL | 072-257-7420 |
設立 | 500万円 |
資本金 | 2014年設立 |
従業員数 | 25名 |
事業内容 | カフェ事業、弁当事業、菓子製造、ハンズオン支援、教育支援、障害者・ニートひきこもり支援 |
ホームページ | https://grandeur-jp.com/ |
さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=22801 |