インタビュー ~ 堺の元気!企業紹介 ~

1995年の創業来、「アレルギーゼロの実現」を目指してきたモアコスメティックス株式会社。大阪・関西万博には、ブロンズパートナーとして会場内の全トイレの手洗い場に、同社が独自に開発した低刺激性洗浄成分のハンドソープを提供しています。
独自開発の低刺激性洗浄成分
全製品でエビデンスを取得
かつて界面活性剤を使った洗浄剤の開発に携わっていた時に自身が肌荒れで悩んだ経験から、肌に優しく安全な洗浄剤の開発に取り組んだという亀田宗一社長。10年をかけて酢の主成分である酢酸を活かした低刺激性洗浄成分「ラウレス-3酢酸アミノ酸」の開発に成功。特許も取得しています。
現在は、「洗う」「補う」「護る」「粧う」の4つの観点から、「ラウレス-3酢酸アミノ酸」を使ったシャンプーや24時間パッチテストをクリアしたトリートメント、スキンケア製品などを展開しており、その原料選定から処方設計、生産までを自社で一貫して行っています。特にこだわってきたのは、安全性を裏付けるエビデンスです。
「当社では、全ての製品に24時間パッチテストを実施しており、洗浄成分のラウレス-3酢酸アミノ酸を直接肌に塗布しても刺激の出ないことが第三者機関によって実証されています。そのため、深刻なアレルギー症状など、お肌に悩みのある方から大きな支持をいただいています。例えば、保湿の効果効能は多くのメーカーで個人的な感想にとどまっていますが、当社は効果をデータ化し発表しています。また、紫外線にはA波とB波があり、肌が真っ赤に焼くB波への効果がよく謳われますが、30年後にシミやシワとなって影響が出るのはA波です。当社はB波だけでなくA波も防ぐ効果のデータも公表しています」と亀田社長。このように早くからエビデンスを取得していたことから高い信頼を得て、大阪・関西万博への協賛も円滑に決まっています。


▲大阪・関西万博に提供されたハンドソープ。

▲同社2階には、講習や製品試験が行える美容サロンを設置。
ブロンズパートナーとして30トンのハンドソープを提供
同社は4月に大阪・関西万博で、優れた中小企業が新技術を出展する大阪ヘルスケアパビリオンの「リボーンチャレンジ」に参画しており、そこで訴求した「ラウレス-3酢酸アミノ酸」の効果を来場者に体感してもらうため、大阪ヘルスケアパビリオン内のトイレにハンドソープを提供することになっていました。しかし、亀田社長の「大阪・関西万博のテーマにある"いのち輝く"にふさわしく、肌の細胞を壊さないラウレス-3酢酸アミノ酸を使ったハンドソープを、会場内の全てのトイレの洗面所に設置したい」という申し入れにより、総量30トンが提供されることになりました。2億円を超える協賛により、同社はブロンズパートナーに認定されています。
そして、万博の開幕直後から驚くことが起こりました。洗面所で同社のハンドソープを使用した来場者によるSNSへの「万博会場のトイレのハンドソープがすごい」という書き込みが相次いだのです。手洗い後に肌がかさつかず、しっとりした使用感が残ることと、とても良い香りがすることが評判になっており、同社に直接「ハンドソープを購入したい」という連絡も入っているのだといいます。

▲トリートメントや洗顔製品を作る真空乳化窯は、製品の品質を保つためあえて小さいサイズのものを使っている。
国内外からの大きな反響が新たな販路開拓のヒントに
「ハンドソープは今回、万博のためだけに製造しました。好評のグレープフルーツの香りも、石けん臭のないラウレス-3酢酸アミノ酸をベースに使っているから実現できた調香です。あまりに反響が大きいので、オンラインで万博と同じ仕様のハンドソープを数量限定で販売することにしました。今回の経験により、エビデンスのしっかりしたものづくりをしていれば、多額の宣伝費をかけたり特別なSEO対策をしたりしなくても、きちんと効果効能は伝わることを実感しました。今後は、従来の理美容サロンやエステサロン、皮膚科医院などの販路に加え、一般の方に向けたオンラインショップにもより一層注力したいと思っています」と亀田社長。
リボーンチャレンジの展示で30ヵ国語に対応したデジタルサイネージを設置したところ、特に環境問題に高い意識を持つヨーロッパ圏の人たちから興味が示されたとか。今後は東南アジアや欧米への販路拡大も視野に入れたいと考えています。
「創業30周年の記念すべき年に万博の運営に関わり、社員のモチベーション向上につながったほか、私の高校や大学の恩師たちからも褒めていただきました(笑)。何より万博で、25年後の未来を提案できたことを誇りに思います」。

▲作られた製品は、充填・定量測定・梱包作業など各工程でのチェックを経て出荷される。
経営のキモ
同社は、独自開発の低刺激性洗浄成分による製品開発を通じて、「アレルギーゼロの実現」を目指した製品づくりが強み。大阪・関西万博では会場内の全トイレにハンドソープを提供し、安全性と品質の高さを国内外に発信しています。

モアコスメティックス株式会社
代表者名 | 代表取締役 亀田 宗一 |
---|---|
本社 | 堺市美原区木材通4-12-15 |
TEL | 072-363-5151 |
設立 | 1995年設立 |
資本金 | 1,000万円 |
従業員数 | 49名 |
事業内容 | 医薬部外品や化粧品の製造・販売 |
ホームページ | https://www.morecosmetics.co.jp/ |
さかしる掲載ページ | https://sakacil.com/detail/?id=5439 |